都市(とし、英: city)は、人口の集中した地域であり、政治・経済・文化の中心となっている大きな「まち」です. 都市は多くの人口集団を抱え、建物や住宅が密集し、第二次産業や第三次産業に依存した生産活動が主要な集落として発展しています. 都市とは対照的な概念として「村落」があります.
都市の測定と指標
都市を定義するためには、人口の数を基準にすることが行われてきましたが、国によって異なる方法があり、厳密な基準は存在しません.
都市の測定にはさまざまな指標が使用されます. 人口規模を示す指標としては、「自治体(行政的区分)の人口」や人口集中地区(DID)の人口、都市圏の人口などがあります. ただし、「都市の人口」と言っても、先進国の大都市では職住分離が進んでいるため、中心自治体の範囲と都市機能に主に関わる人々の居住地の範囲が必ずしも一致していないことが多いです. 経済に関連するさまざまな統計データも使用されます. 経済力が顕著に現れる中心業務地区(CBD)や都心の面積を指標とする場合もありますが、それはまれです.
各国の都市の定義
各国では都市と他の地域との境界(定義)を異なる方法で設定しています. 人口の絶対数で境界を定める国もあれば、人口密度で境界を設定する国もあります.
例えば、スウェーデンやデンマークでは、都市とみなされる最低基準の人口は約200人です. アメリカでは2500人、スイスでは1万人、日本では一般的には5万人(一部の例では3万人)が都市とされています. 国連の統計によれば、「都市人口規模」は1,000人から30,000人までさまざまです.
アメリカでは「人口が1万人以上5万人以下の地域は小都市統計地域」と定義され、「5万人以上の地域と、1.5万人以上の人口を持つ地域を合わせて5万人を超える連続する統計地域は大都市統計地域(MSA)」と定義されています. カナダのCMA(Census Metropolitan Area)やイギリスのSMLA(Small Area Level Analysis)という概念も同様です.
現在の日本では、一般的には行政上の区画である「市」が都市と見なされています. しかし、昭和時代の大合併により、人口の集中する地域と農村的性格を持つ地域が統合され、都市的な景観と一致しない土地利用をする市が増えました5. そのため、政府は「都市的地域」を確定するための作業を行い、1960年の国勢調査からは「人口密度が4,000人/㎢以上で5,000人以上の人口集積を持つ地域」を統計上の「人口集中地区(DID)」として「都市」として扱うことになりました5. また、複数の市街地が連携している場合や、自治体の枠を超えて広がっている場合は、「都市」や「都市圏」と呼ばれることもあります.